やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2017/07/18
財産評価基本通達の改正による自社株価評価額への影響

[相談]

 当社は商品小売業を営む1月決算法人(非上場会社)です。平成29年2月に株主間で当社株式の贈与が行われましたが、この場合の当社の税務上の株価評価計算方式について確認させてください。

※当社の状況(平成29年1月31日決算時点)

  • 期末以前一年間の取引額(売上高)は7億円
  • 株主への配当支払いはなし
  • 課税所得は1,000万円(非経常的な利益に該当する収入はなし)
  • 帳簿総資産は12億円
  • 前期末以前継続勤務従業員数は55人

 平成28年2月にも上記と同じような状況にて株式贈与が行われました。その際には、税務上の大会社に該当し、平成28年1月期決算数値を用いて、類似業種比準価額方式により株価計算を行ったと顧問税理士から聞いています。このため、平成29年2月の株価評価方式についても前年と同様ではないかと考えていますが、いかがでしょうか?


[回答]

 ご相談の平成29年2月の御社株式の贈与については、御社の税務上の会社規模区分は大会社ではなく、中会社に該当します。このため御社の株価評価方式は、平成28年2月とは異なり、原則として類似業種比準価額方式と純資産価額方式の併用方式によることとなります。


[解説]

 平成29年5月15日に公示された財産評価基本通達の改正(公布日は平成29年4月27日)により、取引相場のない株式の評価方法が一部変更されました。また、この通達改正は平成29年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価について、通達公布日(平成29年4月27日)から遡って適用されます。

 さて、その通達改正による各種変更点のうち、中小企業の株価評価に大きな影響を与えると思われるのが、会社規模区分の判定方法の変更です。ここで、下記の表(新旧対照表)をご参照ください。

(出典:国税庁HPより)


 上記の表を見ますと、直前期末1年間における取引金額・帳簿総資産価額・期末以前1年間の継続勤務従業員数の要件が変更され、全体的には上位の会社規模区分に該当しやすくなっている印象を受けます。

 しかし、御社の株価評価については不利になるかもしれない変更が含まれていました。それは、「帳簿総資産価額」の要件について、小売業を営む会社が大会社に該当するための要件が、10億円以上から「15億円以上」に引き上げられている点です。

 この引き上げにより、平成29年1月31日時点の帳簿総資産価額が12億円である御社については、平成29年2月に行われた株式贈与について、原則的に、平成28年2月の株式贈与とは異なる評価方式(併用方式)を用いて計算することとなります。

 その結果、平成28年2月時点と比べて、御社の株価評価額が大きく変動し、贈与税額の負担が当初の見込みから大きく変動している可能性があります。このため、今回の通達改正による贈与税額変動をはじめとした各種の影響と対策について、お早めに顧問税理士にご相談されることをおすすめいたします。


[根拠法令等]
平成29年4月27日課評2-12、財産評価基本通達178


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